「何もしてないのに動けない」そのぎっくり腰、実は前から始まっていました

2026年01月22日

「……ちょっと待ってください、無理です。今、立てないです」

受付のイスから動けなくなって、そう言われた瞬間、
「ああ、来たな」と思うことがあります。

吹田市・江坂でまほろば鍼灸整骨院をやっていると、
ぎっくり腰の方が来院される場面は、正直めずらしくありません。

そして、だいたい決まってこんな言葉が続きます。

「本当に何もしてないんです」
「朝、洗面所で顔洗おうとしただけで…」
「くしゃみした瞬間、ビリッてきました」

このやり取り、何回聞いたか分かりません。

初めてぎっくり腰を経験した方ほど、顔がこわばっていて、
施術台に座るまでの数歩が、ものすごく慎重なんですよね。

「これ、ちゃんと戻るんですか…?」
と、声を落として聞かれることもあります。

ここで、施術者としてはっきり伝えるようにしています。

ぎっくり腰って、急に起きたように感じるだけなんですよと。


何気ない動きで壊れるほど、腰はヤワじゃない

洗面所で前かがみになった。
イスから立ち上がった。
靴下を履こうとして、ちょっと腰をひねった。

どれも「そんなことで?」と思いますよね。
でも、現場で身体を見ていると、
問題はその動きじゃないことがほとんどです。

その前から、もう積み重なっている。

江坂周辺は、

・在宅ワークが増えた
・1日中パソコン作業
・運動の時間がほぼゼロ

こういう生活の方が本当に多いです。

立ち姿勢を見せてもらうと、

「これ、家でもこんな感じで座ってません?」
と思わず聞きたくなるケースもあります。

骨盤が後ろに倒れて、
背中が丸まって、
腰の筋肉だけがずっと踏ん張っている。

本人は普通の姿勢のつもりでも、
腰だけが“常に残業している状態”なんですよね。

そこに、前かがみやくしゃみ。
最後の一押しが入っただけ。

私は、そういうぎっくり腰をたくさん見てきました。


腰が痛い=腰が悪い、とは限らない

これは完全に、現場での感覚です。

正直に言うと、
「腰そのものが原因だったぎっくり腰」は、意外と少ないです。

検査のとき、よくこんな流れになります。

「腰、確かに痛いですね」
「じゃあ次、股関節ちょっと動かしますね」
「……あ、こっち硬いですね」
「足首も、左右で動き全然違います」

すると患者さんは決まって、
ちょっと困った顔をされます。

「え、腰じゃないんですか?」

はい、違うことが多いです。

身体って、下から積み木みたいに積み上がっています。

足 → 足首 → 膝 → 股関節 → 骨盤 → 腰

このどこかが崩れると、
一番最後に耐えきれなくなるのが腰。

特に多いのが、

・足裏のアーチが潰れている
・外側重心で立っている
・片足に体重を乗せるクセ
・靴底の減り方が左右で違う

こういう方です。

足元が不安定だと、
身体は無意識に腰でバランスを取ろうとします。

それが何ヶ月、何年と続いた結果、
ある日、腰が「もう無理」と言ってくる。

ぎっくり腰は“原因”じゃなくて、
結果として表に出てきただけ。
私はそう考えています。


ぎっくり腰になった直後、やらないでほしいこと

これは少し強めに言います。

ぎっくり腰になった直後に、

・無理に動かす
・自己流で強く揉む
・とりあえず温める

この3つ、かなり悪化しやすいです。

「仕事休めなくて無理しました」
「湿布貼って揉んだら余計に…」

そう言って来院される方、何人もいました。

最初の1〜2日は炎症が強い時期。
横向きで膝を軽く曲げて、クッションを挟む。
冷やすなら20分くらい。

この時期は、攻めない
これ、本当に大事です。


まほろば鍼灸整骨院で、まず見るところ

うちでは、
「とりあえず腰を揉む」
みたいなことはしません。

まず確認するのは、

・立ち姿勢
・重心の位置
・歩き方
・足裏の接地
・股関節と骨盤の動き

ぎっくり腰の方でも、
無理のない範囲でチェックします。

「ここ、前から違和感ありませんでした?」
と聞くと、

「あ、あります」
「そういえば昔から…」

と返ってくること、結構多いんですよ。

施術も、ボキボキはしません。
急性期は刺激をかなり抑えます。

「思ってたより怖くないですね」
そう言って表情が緩む瞬間、
こちらも少しホッとします。


再発しないために必要なのは、根性じゃない

ぎっくり腰、一度なると怖いですよね。

「また来たらどうしよう」
「次はもっとひどくなるかも」

だからこそ、
痛みが引いたあとに何もせず終わるのは、もったいない。

座り方。
立ち上がり方。
足の使い方。
靴の選び方。

全部、難しい話はしません。
その人の生活に合うものだけ。

「これなら続けられそう」
そのラインを一緒に探すのも、施術だと思っています。


ぎっくり腰は、身体を立て直す合図かもしれません

正直、ぎっくり腰はつらいです。
動けない不安もあるし、仕事の心配もある。

でも見方を変えると、
「このままじゃダメだよ」という、
身体からの分かりやすいサインでもあります。

腰だけじゃなく、
身体全体を見直すきっかけ。

吹田市・江坂で、
ぎっくり腰や腰痛を繰り返しているなら。

一度、立ち止まって身体を見てみてもいいかもしれません。

まほろば鍼灸整骨院は、
静かですが、本気で向き合う院です。

「ちょっと話だけでも聞いてみようかな」
そのくらいの気持ちで大丈夫ですよ。

腰は、まだ立て直せます。

ぎっくり腰は腰の問題として始まらない

ぎっくり腰という名前から、
多くの方が「腰が突然壊れた」と感じます。

しかし、実際に身体を診ていると、
腰そのものが最初の原因になっているケースは多くありません。

腰は、いわば調整役です。
上半身と下半身の間で、
日々のズレや負担を引き受け続けている場所。

多少姿勢が崩れても、
多少動きに偏りがあっても、
文句を言わずに働き続けます。

だからこそ、
最後に表に出てくる。

ぎっくり腰は、
腰が限界を迎えた結果であって、
腰がサボっていたわけではありません。

日常の中に隠れている蓄積

問診をしていると、
皆さん最初はこう言われます。

特に何もしていない
いつも通りだった
思い当たることがない

でも、話を少しずつ深めていくと、
必ず何かが出てきます。

最近、座っている時間が長かった
運動らしい運動をしていなかった
靴の外側ばかりが減っている
片側で荷物を持つクセがある
呼吸が浅い自覚がある

これらは、単体では大きな問題に見えません。
ですが、同時に重なっていくと、
身体にとっては確実な負担になります。

特に現代は、
動かないことで起きるトラブルが非常に多い。

動きすぎよりも、
動かなさすぎ。

ぎっくり腰の背景には、
その生活環境が色濃く反映されています。

腰は一人で頑張らされやすい

本来、身体は分担して動きます。

歩くときは足首が衝撃を受け止め、
股関節が大きく動き、
体幹が安定させる。

ところが、
足首が固い
股関節が動かない
体幹がうまく使えない

こうした状態になると、
腰がその分まで働かされます。

腰は可動域が広く、
ある程度ごまかしがきく場所です。

そのため、
負担が集中しても、
すぐには痛みとして出ません。

違和感
張り
重さ

こうしたサインを無視した結果、
限界を超えたところで
ぎっくり腰として表に出てきます。

急性期に大切な考え方

ぎっくり腰直後の身体は、
非常に繊細な状態です。

筋肉は緊張し、
関節は動きを制限し、
神経は過敏になります。

この状態は、
身体が自分を守ろうとしている証拠。

ここで無理に動かしたり、
強い刺激を入れたりすると、
防御反応がさらに強くなります。

結果として、
痛みが長引いたり、
回復に時間がかかったりします。

急性期に必要なのは、
根性でも我慢でもありません。

安全だと身体に感じさせること。
それが、回復への近道です。

なぜ説明を重視するのか

施術をしていると、
身体が変わる瞬間があります。

それは、
筋肉が緩んだときだけではありません。

理由が分かったとき。
自分の状態に納得できたとき。

この瞬間に、
身体の反応が変わる方がとても多い。

不安は、緊張を生みます。
納得は、安心を生みます。

だから、
なぜ今ここが痛いのか
なぜ腰に負担が集中したのか

これを共有することを大切にしています。

ただ治すのではなく、
理解してもらう。

その方が、
結果的に再発は減ります。

再発を防ぐのは特別なことではない

ぎっくり腰を繰り返さないために、
特別なトレーニングが必要だと
思われがちです。

実際は、そうではありません。

立ち上がるときに、
腰から動かないこと。

片側ばかりに体重をかけないこと。

長く座ったら、
一度立って身体をリセットすること。

こうした小さな意識の積み重ねが、
身体を大きく変えていきます。

完璧を目指す必要はありません。
続けられる形で、
少しずつ変えていく。

それが、現実的で、
一番効果的です。

ぎっくり腰は終わりではなく始まり

ぎっくり腰になると、
どうしても怖さが先に立ちます。

またなったらどうしよう
動くのが不安
癖になったら嫌だ

その気持ちは、とても自然です。

ただ、見方を変えると、
身体が強くブレーキをかけてくれた
タイミングでもあります。

これ以上無理をしたら、
もっと大きな問題になる前に。

そう考えると、
ぎっくり腰は
身体を見直すための合図とも言えます。

向き合うか、
なかったことにするか。

その選択で、
数年後の身体は大きく変わります。

腰は、
まだ取り戻せる段階で
サインを出してくれています。